「子育ては正解がない」という言葉がありますよね。
私自身は少々複雑な家庭環境で育っているので、子育てに正解はないのかもしれませんが、不正解はあると思っています。
そして私と親との関係は世間で俗にいう「幸せな家庭、親子」と呼ばれるものとはかけ離れている、ということは理解できていました。
妊娠期間が経過し出産が間近に迫り、自分がついに親になると決まった時、最初に浮かんだのが「子育てのモデルプランがない」ということ。
その時にたまたま書店で手に取り、感銘を受けたのがこの本「子どもが育つ魔法の言葉」。
最近また読み返すことが増えたのですが、薄くて読みやすい本なのに、具体的な対応がたくさん書いてあり、私自身が本当に助けられている本なので紹介します。
子どもが育つ魔法の言葉
「子どもが育つ魔法の言葉」は家庭教育に生涯を捧げる教育家、ドロシー・ロー・ノルトさんのベストセラーの翻訳です。
冒頭に彼女が1954年に書いた詩「子は親の鏡」が掲載されているのですが、これを読んだ時点で私にはこの本の大筋がスッと理解でき「あっ、これが私に必要な本だな」と感じたのですぐに先を読み進めました。
見えにくいかもしれませんが、下が「子は親の鏡」です。
出典:「子どもが育つ魔法の言葉」ドロシー・ロー・ノルト、2003年、PHP文庫
ちなみに昔のことなのでわかりませんが、日本ではこの詩が「アメリカインディアンの教え」として誤解され広まってしまったと著者は書いていました(笑)
誤報ではあったようですが、この詩をみたらあちこちに広まる意味はなんとなくわかりますよね。
あとから知ったのですが、2005年2月に天皇陛下(当時の皇太子殿下)が誕生日の記者会見にて朗読された、と最近の帯には記載されてあるみたいですね。
この本の中には、1行目の「けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる」から最後の一行「和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる」までが、具体例を挙げて書かれています。
前半部分はややネガティブな内容なので、自分自身の経験と重なることもあり、少し暗い気持ちにもなりましたが、後半にポジティブな内容が並んでいるのも、読みやすいなと感じる構成でした。
「子は親の鏡」も、後半に向かって前向きな気持ちになれる詩ですよね。
本の内容は、誰もが気づいているとてもシンプルなことだけど、実際にこうして活字化されていると、自分にもちゃんと子育てができるかなと思わせてくれる本でした。
また半年に1回くらいは、時間ができた時に読み返しているのですが、本の「はじめに」に書いてある、
「子どもは、いつも親の姿を見ています」
「どんなふうに人と接しているか。その親の姿が、手本として、子どもに生涯影響力を持ち続けることになるのです。」
という言葉は、自分自身の背筋が伸びる気がしますし、少し気持ちがぶれそうになった時にまた原点に帰ってくることができます。
詩を見ればおおよその内容は想像がつくと思いますし、著作権の問題?からも具体的に記載することは避けますが、薄くて文体も読みやすいですし、私自身には本当に助けになってくれている本です。
ちなみに10代の子ども向けのシリーズもあるので、子どもがもう少し大きくなったらこちらも買うつもりでいます。
子どもが育つ魔法の言葉 + 10代の子どもが育つ魔法の言葉 2冊セット
子育てに迷った時に読みたい本
家庭内の親と子供のやりとりは、密室の中で親と子供の間だけで完結してしまうコミュニケーションですよね。
大抵の場合、自分が親から受けた躾の記憶や自分が良いと思う方法をベースに日々子供に対応するのだと思いますが、冒頭に書いたように、私のようにお世辞にもよいと言えない家庭環境で育った人間にとっては、子育てというのは非常に難しい課題のように感じます。
一般的な家庭の親は子供に対して具体的にどんなやりとりをしているのか、知るチャンスってなかなかないんですよね。
親も子供も一人一人違うので、いわゆるステレオタイプの子育てというのはないのかもしれませんが。
親が自分を育てた方法、環境よりも良いものを自分の子供に与えたとしても、果たしてそれで十分なのか、時々不安に感じることがあります。
世の中にはたくさんの子育て本が出版されていますが、自分が納得できる本に出会うことができたら、それに則って子育てをしていくのもありだなと感じたのがこの本でした。
親が子供にかける言葉は大切
日々の親と子供のやりとりの大半は、仕事のように誰かが咎めるわけでもなく、特に幼少期は親に主導権があり、親の判断に絶対的な権限があると言っても過言ではありません。
その最悪なケースが頻繁にニュースでも目にすることがある虐待と言えるのかも知れませんが…
私自身が4歳以降のこと、親が具体的に話した言葉を含めほぼ鮮明に記憶しており、特に幼少期の子育てにおいて親の権限のあまりの強さ、責任感の重さを、最近特に感じるようになりました。
普段のなんでもない時は良いのですが、何か問題が起きた時に、どんな対応をしたら良いのか、どんな言葉をかけたら良いのかって難しいですよね。
「子どもが育つ魔法の言葉」がおすすめな理由
子育てって子供を持ったらみんな経験しますが、そもそも親に「資格」も「免許」もないんですよね。
かといって、親になったその日から別人格に変われるかといえば無理な話。
頭ではわかっていたけど、子どもが日々成長するのと一緒に親自身も成長しないといけないのですが、大人になってから自分を変えるって本当に大変なことですよね。
Twitterの自己紹介欄にも「子育ては自分再教育」と書いているのは、そのせいでもあります(笑)
自分自身がこの本にあるように愛を持って育ててもらえればよかったのですが、この本を親の立場から実践することで、この本で育てられた子供に近い感覚を得ることができるのではないかと感じています。
ちなみに薄くてページ数も少ないし、必要なページだけを読み返してもそんなに時間がかからないのもありがたい。
オリジナルは英語の著書なので、うちでは旦那とも共有できるのが嬉しいところです。
もちろん時々行き詰まると、旦那にも該当箇所を読んでもらい、「最近、あの本に書いてあったNGな対応しちゃったね。お互い気をつけよう。」、「そうは言ってもいざとなると難しいよね(笑)」と言ったような会話をすることもあります。
子育てに悩んでいる方、幼児の子育てで声掛けに悩んでいるパパやママの参考になれば嬉しいです。
Children Learn What They Live: Parenting to Inspire Values
Teenagers Learn What They Live: Parenting to Inspire Integrity & Independence