最近、保育園に子供を預け始めてビックリした人もいるかもしれませんが…
男性保育士さんが増えてきましたね。
自分が子供の頃には全く考えられたなかった事なので、娘が通う園で男性の保育士さんを見たときには本当に驚きました。
私たち女性が男性の社会に進出していくように、男性が女性の多い職種に進出するのも何らおかしくないはずなのに、これが男性社会に女性が進出したときの男性の気持ちなのか?と思いました。
というのも、私も男性ばかりの職種に進出した女性の1人だからです。
男性保育士さんについては、未だ自分も含め社会がついていけてない?感じをすごく感じたので、私が感じた違和感をまとめてみたいと思います。
男性保育士さんってどのくらいいるの?
男性保育士さんが果たしてどのくらいの割合でいるのか調べてみました。
下の図をご覧ください。
2018年度のアンケート結果ですが、男性はたったの4%しかいませんでした。
このアンケート結果の割合よりも、娘の通っている保育園の割合は少し多い気がします。そういう意味では、地域性なのか、レアなケースなのかもしれないですが、本当に少ないですね。
男性保育士がいるメリット
はじめに男性保育士さんが働いていると知った時は驚いたのですが、日々子供達の様子を見ていると、逆に女性だけの社会にもいろいろあるので(笑)、これが本来あるべき姿なのかもしれないなと感じ始めました。
私なりに感じたメリットを挙げてみたいと思います。
力仕事や体力仕事を任せられる
運動会のときに見ていて感じたのですが、男性の先生ならでは?力仕事を率先してやってらして頼りになるなぁと感じました。
また日々の仕事の中でもきっと男性保育士さんがいることで、助かっている女性保育士さんたちもいるのではないかと思います。
防犯上の安心感がある
昨今、学校などに不審者が乱入し子供たちが被害に遭う事件があったりもしたので、男性保育士さんがいるだけで少し安心感があるなと感じました。
というのも、そういった類の事件の加害者は、比較的弱いもの(女性や子供)を狙うといった話を聞きますよね。保育園ではお散歩に出かけたりしますが、男性保育士さんが引率されているだけで、突発的な事件に巻き込まれる確率はもしかしたら低くなるのではないでしょうか?
遊びの幅が広がる
保育園の様子を見せていただいたときに感じた頃ですが、やはり若い男の先生は走るのも早いですし、体力があります。年中や年長クラスの男の子たちの中には、結構やんちゃな子たちも出てきますので、そういった子供たちと一緒に遊んだりしている姿を見ると頼もしいなと感じました。
子供の評価軸に幅が出る
今までは女性保育士がほとんど(今もですが)だったと思いますが、男性保育士さんがいることで特に男の子の評価軸が若干変わるのではないかと感じています。
男の子の子育てをしていると感じると思いますが、男の子と女の子は趣向や行動が全然違います。
保育士さんが女性だけの場合は、男の子の言動が理解できないことも多いかもしれないですし、言うことを聞いてくれない=扱いづらい、といった感じになってしまったケースも今まではあったのではないかと思います。
保育園の先生方の問題報告、母親もやはり女性で理解できない、「どうしてそんなことするの!!」って言う流れもあったのかな?と思い始めました。
と言うのも、保育園の歳上の男の子が、いつもうちの娘にちょっかいを出してくるのですが(と言うより、軽くいじわる?)、それについて私は
「あの男の子がいるときは、いつも娘が泣かされるからあまり遊ばせたくない」
と旦那に話したのですが、旦那は
「あまりに酷ければ止めるけど、多分大丈夫だよ。あの子は娘のことが好きなんだよ(笑)他の女の子には見向きもしないから、多分間違いない」
って笑いながらいってました。
これを聞いたときに、あぁ男性の保育士さんの視点も大事だなっと感じました。
既存の女性保育士さんにとっての影響
上にもうちの例を挙げましたが、男性保育士さんは男の子の子供の声の代弁者になれるのではないかと思います。また現存の女性保育士さんにとっても、今までにない新しい視点を学べる機会が増えるのではないかと思います。
またこれまで職場は女性社会だったと思いますが、女性社会は女性社会の問題がいろいろありますよね・・・。私もそう言う職場にいたので身を持って知っているつもりです。
最近は、保育士さんの給料が安すぎる等、待遇の問題も囁かれていますが、東京都の実際の退職理由はこうなっています。
もちろん給料の問題もありますが、それよりも人間関係が問題で退職する人が3割以上もいます。しかも割合で言うと、独身の子供のいない女性が圧倒的に高いです。
それを考えても、やはり男女両方がバランスの良い割合で働くことで緩和される風土もあるのではないかと思います。
男性保育士が増えることで育児への男女の垣根がなくなる
まだまだ日本では子育て=女性・母親、というイメージが強いですよね。
男性保育士さんが増えることで、その社会のイメージが変わっていくのではないかと思っています。
最近やっと日本でも男性が育休を取れる制度ができましたが、まだまだ利用率は低いですよね(それぞれの家庭の判断もあると思いますが)。ただ一番良くないなと感じているのが、共働き世帯でも女性の育児や家事への参加率が異様に高いことです。
うちは収入や労働時間に完全に育児・家事が比例していて、旦那の方が育児・家事の割合が高いレアなケースだと思います。旦那が日本人ではないから、と言われればそれまでなのですが、その根底にはどんな社会で生きてきたか、が大きく関わるのではないかと思います。
誤解がないと良いのですが、今の日本を見ていて旦那が感じている個人の見解としては、男女や家庭に関する考え方は2世代くらいの隔たりを感じていて、今の日本の子育てや家庭の姿は、祖父母世代の考え方に近いそうです。
今でも日本では「子供が小さいのに働いて」とか、「子供が小さいうちは母親が」とか言う人がいますが、親は母親だけではないですし父親も親ですよね。
男性保育士さんが増えることで、社会全体にそういう意識が芽生えてくると嬉しいですよね。
パパが育児の相談をしやすい
育児に積極的なパパやお迎えや登園を頑張っているパパもいると思いますが、何か相談したいときに男性保育士さんの方が気軽に話しやすいと言うのがあるそうです。
そういった意味でも、男性保育士さんの存在は男性が育児に参加していくにあたり大切かなと思います。
男性保育士の今後の課題
上にメリットを書きましたが、デメリットという書き方は本意ではないので、私が見ていて感じた今後の課題という形で書きます。
男性保育士さんの業務をどうするか
本来ならば、今まで女性保育士さんが担っていたのと同じ仕事で良いと思います。
ただ現実問題として一部の保護者から
「男性保育士さんにオムツ変えをさせないで欲しい」、
「着替えの時間は退出させてほしい」
「トイレは同行させないでほしい」
といった要望が実際にあったそうです。
母親視点として気持ちは良くわかります・・・でも私が男性の中で働いているからかもしれませんが、「男性だから」という理由だけで、そう言う要望を出されているという話は、少しがっかりしました。
ちょっと話が飛びますが、個人的に保育園と介護の仕事って何となく似ている気がするんですよね。
子供も高齢者も弱者であり、自分1人で身の回りのことができない状況であること、本当は家族だし面倒を見てあげたいけど、仕事があったり、生活のために働かなければならない・・・その為に外部に委託してお願いしているところとか、何となく同じような感じがしています。
ですが、上記の保護者の要望を受け入れてしまった場合には、他はどうするの?といった疑問が出て来ます。
例えばそれを男女に平等に置き換えた場合、極端かもしれませんが
女性保育士さんが男の子のオムツ変えができなくなりますし、
介護も男性職員は女性のおむつ変えはできなくなりますよね。
自分がそうだからかもしれませんが女性が従来男性が多かった職種や職場に進出した時に、「女性だからやりません」と言う女性は少ないと思います。
むしろ男性と遜色なく働く意欲も意志もあるからこそ、そういう環境に身を置いているのです。
男性の保育士さんも、そういう事情も覚悟の上、やる気を持って職業を選んだと思います。だから彼らをプロとして信頼し、任せるしかないと個人的には思っています。←ただし、信頼を裏切られた時には、もちろんそれ相応の対応はさせていただきます(笑)
また、ただでさえ大変な職場でこんなことをしていたら、現場は回らないと思います。
これこそ社会で乗り越えていかないといけない問題のような気がします。
実際に事件が起きていることで保護者の警戒心が強い
保育園に関するニュースで何となく大きく取り上げられているが、女性保育士さんは体罰や虐待のようなもの、男性保育士さんは園児にわいせつ行為といったものが多い気がします。
やはりそう言うニュースを見れば、大変申し訳ないのですが少し親としても不安になります。ただしそれは小中学校などでの教師のわいせつ事件も同じです。本当に一部の保育士さんのせいで、一生懸命頑張られている男性保育士さんはつらいだろうなと思います。
保育士さんの待遇面の向上
以前、男性のピアノ講師や音楽教室の先生が話していたのですが、ピアノ講師なども極めて男性が少ない職種です。と言うのも、「この給料では家族を養って行けない」といっていて、みんな独身です。
何となく女性の多い業界はこういう待遇面での冷遇が多いような気がします(もちろんフルタイム出ないケースも多いのかもしれませんが)。だからといって女性だけなら給料が安くて良いかと言えば、それも違いますよね。
簡単に待遇面を良くできるわけではなく、それには多くの課題も残りますが、待遇面が良くなればより有能な人材が入ってくるし、必然的に保育の質は向上します。ただ命を預かる仕事なので、人手を減らすことのできない業務も多いと思うので難しいところなのかもしれないですが。
まとめ
元々、男女の特性、また今の社会のあり方、保育士の給与水準等を考えると「(自分の子以外も含めた)子供が好き」で保育士を目指したいと感じる男性の割合は、まだまだ低く推移していくのかなと思います。
しかしながら、まだまだ理解が得られない面や偏見とはいかなくても警戒心を持つ保護者も多いのが現状だと思います。小中学校などでも教師のわいせつ事件などが時々ありますが、その年齢の子供は親に話したり、「これはおかしいな」って言うのが、自分でわかる年頃だと思いますが、保育園児の年齢ではそういった判断も子供ができていない可能性もあり、非常に難しいなと感じます。
冒頭にも書きましたが、私自身は男性ばかりの職種に飛び込んだ逆の立場なので、苦労や偏見というのもすごく理解できます。
将来はどうなっているかわかりませんが、男性保育士さんに保育された子供たちの中で、保育士さんを目指そうと思う子も出てくると思いますし、客観的に男性保育士さんにはデメリットよりもメリットを大変感じているので、保育園で何らかの対策をしたり、信頼を得られるようになり、男性保育士さんたちには、頑張ってもらいたいなと考えています。